【便器が血まみれになったら、すぐに救急車!!】痛くないけど、非常に怖い憩室出血

病気

突然ですが、憩室出血という病気を聞いたことありますか?

り患したことがある方は、その恐怖をご存じかと思いますが、自分自身や近しい人にり患経験がない場合は、名前すら知らない方が多いと思います。

憩室や憩室出血の専門的な解説は、検索していただけると、専門医の先生のコラムやブログがたくさんあるので、それを参照していただければと思いますので、こちらでは、り患した患者側の視点で、憩室出血についてお話できればと思っています。

4年前、突然の発症に、自分はしばらくの間、どうしたらいいのか、全くわからなくて、家で右往左往することになります。

その日は仕事が休みで、家で昼食を食べていました。妻は仕事でいませんでしたので、一人で食事をとっていました。食事中に、大きいほうの便がしたくなって、トイレに入りました。

スムーズに便が出たと思った直後に、水様便が出た感覚があり、便器を覗くと、便器全体が真っ赤な血に染まっていました。

初めての光景に、何が起きているのか、全く把握できず、真っ赤な血が肛門から噴き出している事実はあるものの、これが何を意味しているのか、いろいろと考えても答えは出るわけもなく、トイレットペーパーでおしりを拭くと、もちろん真っ赤な血。よくわからないまま、痛みやその他の自覚症状が全くないため、とりあえずトイレは流して、リビングに戻ったのですが、初めての経験に残りの食事を食べる食欲も完全に失せてしまい、ソファーでボーっとしていました。

すると、さっきの血便から5分もたたないうちに、再度、便意が…。

嫌な予感を持ちながらトイレに行き、排便すると、また同じような大量の真っ赤な血が噴き出る。トイレットペーパーで拭いて、リビングに戻るも、5分程度でまた便意が…。

トイレに行くと、同じように真っ赤な血が噴き出る。3回続いた時点で、これはおかしなことが起きていると思い、冷静ではない自分は、まず妻に電話して状況を伝えた。

妻も状況を聞いて、パニックになり、仕事を切り上げ、すぐに帰ると。

そうこうしているうちに、4回目、5回目と出血は続く。

6回目の出血のあとに、貧血みたいな感じになって、トイレから戻るのにふらついたことから、ちょっとおかしいと思い、119番通報。

状況を説明すると、「すぐに向かうので、そのまま動かないで待っててください」とのこと。

救急隊の方が来るまでの間に7回目の出血があり、もう完全に意識朦朧…。

妻に救急車を呼んだ旨を伝え、ほどなくして救急車到着。

救急車が病院に着いたときに、また便意が起き、車いすに乗せてもらい、ER内のトイレで排便。8回目の出血。

この出血で、めまいや吐き気が一気に襲ってきて、意識がなくなりました。

気づくと、ICUのベッドでした。

赤い点滴がぶら下がってると思って、近くにいた看護師さんに聞いたら、輸血ですとのこと。血液が入ったパックを初めてみたので、意識が戻ったときはわからなかったのですが、看護師さんや主治医の先生の話を聞いて納得。

出血が多く、それなりの量の輸血を行ったとのことでした。

輸血しつつ、緊急で大腸の内視鏡を入れ、クリップでの止血を試みたそうですが、出血部位が特定できず、緊急内視鏡での止血を断念し、自然止血を待ちながら、通常の大腸内視鏡検査をすべく、翌々日には一般病棟に移り、朝から下剤をゴクゴクと飲む。

救急搬送されてから、なにも食べていないし、水も飲んでいなかったので、下剤が美味くてたまらない。

下剤を飲むと、もちろん、排便があるのだが、濁った水便で、出血のなごりが水のように出て、だんだんと透明な水便になってきたと思ったら、また真っ赤な血液が出始める。

病棟の看護師さんに伝えるも、大出血時のなごりでしょ?みたいな感じで相手にされず。医師に確認を求めても、とりあえず内視鏡するとのことですが、そうこうしている間にも、血便止まらず、4~5回目の出血で、また意識がなくなる…。

気づいたら、またICUにいました。

輸血のパックもぶら下がっていました。

結局、大腸をきれいにした状態でも、出血部位が特定できず、数人の医師が協議し、カテーテルでの止血を試みることになった。

足の付け根からカテーテルを入れ、出血を引き起こしている動脈を止めるというやつなんだけど、これでも出血部位の特定ができず。特定ができないというより、カテーテルを入れる段階では、また自然に止血している状態でした。

結局のところ、内視鏡やカテーテルで止血をしたわけではなく、足りない血液を輸血で補給し、自然止血となったという結果となりました。

退院後、複数の消化器内科や消化器外科のクリニックを回り、この一連の対応や、予防法など、いろいろと聞いて回ったが、なかなか難しい病気らしい。

80%程度は自然止血となるとのこと。

予防も、これといった予防法はないらしく、肥満の改善や、たばこやお酒をやめるとか、血液サラサラの薬をやめる(調整する)とか、ロキソニンやボルタレン等の強めの痛み止めの常用をやめるとか、その程度しかないそう。

どれにも当てはまるものがない自分は、正直、なにもやりようがなく、4年を経過した今も、排便のたびに便器を確認して、出血がないかどうかを確認する日々を送っています。

退院時に担当医から、「同じような出血が一度でも出たら、すぐに救急車を呼んでください」という念押しはされています。

かかりつけ医は漢方医でもあって、憩室出血の予防という意味で、「黄連解毒湯」という漢方薬を処方していただいています。

これが効いているのかどうかは、正直わかりませんが、かかりつけ医曰く、出血時に、黄連解毒湯を溶かした生理食塩水を内視鏡で出血部位に吹き付けると、血が止まるということで、一部の病院では、大腸の出血時に、この方法を用いているようです。

自分でも調べてみたところ、そのような内容の論文もいくつか出てきました。

内服と外用では違うと思うので、内服で飲んでいる自分に、その効果があるのかどうかはわかりませんが、憩室出血に関しては、4年は再発していないので、その効果であると信じたいところです。

これまで、憩室出血を経験した患者として、一部始終を書いてみましたが、経験した方とこのような情報が共有でき、なにかしらのお役に立てれば幸いです。

それなりの年齢になったら、一度は大腸内視鏡検査を受けて、憩室の有無を確認することをおすすめします。これを知っているだけで、憩室に関する合併症を重症化させないことができると思います。

健康第一です。季節の変わり目でもありますし、体調管理に気を付けましょう。

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